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フィンランドは女性の理想郷なのか?「フィンランドでの男女平等について」ラップランド大学研究員Heidiさんに聞く

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こんにちは。finnba管理人のクドウです。

「暑い季節は辛いものがうまい!」と調子に乗って、辛いものを食べ続けたら胃腸がやられて休養中です。

 

で、今回は、フィンランドのラップランド大学の研究員、Heidiさんの札幌での講演会について紹介します。

このHeidiさんは、finnba管理人ユハとも結構長いことお付き合いがあって、結婚したときもプレゼントくれたりしたナイスレディです。ジェンダースタディーという日本ではあまり聞きなれない「性についての研究」をされています。

 

今回の講演会のテーマは「男女平等について」ということで、一般市民向けに簡単にフィンランドの男女平等社会への取り組みや制度について話してくれました。

 

フィンランドの男女平等について、Heidiさんの実体験をもとに話を聞く

 

フィンランドがメディアで取り上げられると「福祉国家で女性にとって最高の国」とずいぶん持ち上げられています。が、実際どうなんでしょうか。

フィンランドでの男女平等について、ラップランド大学のHeidiさんの講演@札幌

メモとりながら講演の写真も撮ってたので、微妙な写真しかありませんですんません。

 

1.出産~誕生:フィンランドには、ネウヴォラという母親も子供もお世話してくれるところがある

ネウヴォラは日本でも最近話題になっているようですが、妊娠中から就学まで色々面倒を見てくれるところ。

フィンランドでは、「子どもは、家族の子供だけでなく、社会の子供である」という考え方が広まっていて、社会的に面倒を見ていく、という制度が発展していて、ネウヴォラもその一つです。

(その考え方の背景として、フィンランドは人が少ないから、女性もちゃんと働いてもらわなきゃ困るわ、という政府の思惑もあるようです)

 

また今度詳しく紹介しますが、とにかくなんでも面倒を見てくれる場所で、母子の色々な相談や子供の予防接種とかそんな感じのことをやっているらしい。99%以上の子供がなんらかの形でこのネウヴォラというところにお世話になっているらしいです。

 

2.保育:子ども手当的なものが充実している

フィンランドでは、母親休暇(約4カ月、うち出産前30日~50日使用可能)、両親休暇(約6か月半)があります。産休・育休の制度はほとんど日本と変わらない…?という印象(事実は不明)。

ただ、子どもが3歳になるまで育児休暇をとることは可能、と国で保障されているのが微妙に違うところでしょうか。

実際はだいたい出産後10カ月程度育休をとる人が多いとのことでした。

 

養育費がやばいっす。

そもそも学費がタダなのに、加えて17歳になるまで、毎月100ユーロ(だいたい1万2千円くらい)はもらえるらしい!それに、第2子、第3子と子どもが増えれば増えるほど、月額も増えるそうです。これはすごい。

 

3.仕事:働く女性が多い

フィンランドにおける就業率(20~59歳)は、男性79%、女性77%、と男女にほぼ差がありません。(2013年のデータ)

日本では、男性の就業率はあまり変わらないようですが、女性の就業率は50%程度。男女平等社会とはなかなか言いづらい数字です。

 

4.教育:教育費の負担は無いので、だれでも同じように教育を受けることができる!

フィンランドは、とりあえず今のところ学費はタダです(留学生の学費については微妙に変わってきていて、一部有料になりました)。

なので、まあ男女平等というか、フィンランド人全員平等てことですね。

 

まとめ

むりやりまとめますが、今回のセミナーで感じた一番の違いは、

日本は、「子ども=家族の子ども」という考え方が強いのに対して、フィンランドでは、「子ども=社会の子ども」という考えが強い

ということでした。

それで、社会的に子育てを支援する制度が整備されているのでしょう。

 

社会全体で面倒を見るのが当たり前だ、という考え方は、今の日本だとどうもしっくりいっていないのかなと。

で、そのしわ寄せが母親に来てしまっている?ということなんでしょうか。なので、男女平等社会には色んな障壁があるてことでしょうか。

ただ、フィンランドのデータは見たけど、自分の国のこと全然知らんので比べるにも比べられんかった……もっと自分の国のことも知らなきゃ…と反省しました。

 

ちなみに

その後日、Heidiさんとご飯に行きました。予想通り超超ナイスな方でした。

日本食はかなり気に入ってくれたようで、特にホタテバター醤油焼きとカニクリームコロッケにドハマりしてました。

また会えるのを楽しみにしてまーす。